ゼンマイの食べ方や煎じ方法と効能について解説します。春の時期の山菜と言えば、ゼンマイやワラビをイメージしますね。今回は、同じシダ科植物の多年草である、ゼンマイをご紹介します。
4月から5月頃になると、ゼンマイは長さ数十センチほど、地上から芽を出します。この地上から伸びた部分は、実は、ワラビと同じく茎ではなく、若芽であり葉の一部になります。
つまり、若葉の先端の丸まった部分が将来は葉になる部分で、その下の茎のような部分は葉柄になり、この柔らかい部分を食用として遣うことになります。
ゼンマイの茎もワラビと同様に地下茎になります。地下茎も夏頃には採取して、下ごしらえ(灰汁抜き)後に天日干し乾燥して、煎じて飲むことが出来ます。
ゼンマイの特徴と採取
ゼンマイは日本全土の山地から平地で、湿った場所に自生します。例えば、渓流の土手、湿度の高い森林の中、あるいは地面が湿った野原などに群生します。
春先には、綿毛と呼ばれる繊維状の毛に覆われた若芽を、地上から現し、数十センチに生長します。
ゼンマイの綿毛は、生長するに伴い、少しづつ薄れていき、大きく生長した後は無毛になります。
ゼンマイの葉は、50cm~1m程度まで、大きく生長します。
ゼンマイの使用法
ワラビは生のまま茹でて調理をすることもありますが、ゼンマイは生の状態で調理をするよりも、乾燥させてから調理をすることが好まれます。
まず、綿毛に覆われたゼンマイを採取し、柔らかい部分のみを使用し、綿毛や硬い部分は除去します。
その後、お湯で茹でてアク抜きをして、天日干しで乾燥させます。天日乾燥したゼンマイを調理の材料に使用します。乾燥ゼンマイは保存することも出来ます。
※ 灰汁抜きの方法は、ワラビの灰汁抜きの方法を参考にしてみてください。
煎じ法(一)
- 乾燥ゼンマイ5g~10gをコップ一杯半の水で煎じます
干しゼンマイ料理
- 味噌汁の具
- おひたし
- 和え物
- 煮物
- 油炒め
- 混ぜご飯
ゼンマイの栄養成分
- β-カロテン : 強い抗酸化作用、動脈硬化やがん予防
- チアミンB1 : 糖質の代謝に作用、疲労回復
- ビタミンB2 : 新陳代謝の促進、美容効果
- ナイアシンB3 : 水溶性ビタミンの一種
- パントテン酸B5 : 三大栄養素の代謝に作用、動脈硬化の予防
- ビタミンC : 抗酸化作用、血管の老化防止、動脈硬化予防、美肌効果
- ビタミンE : 抗酸化作用、老化防止、動脈硬化やがん予防
- ビタミンK : 止血作用、骨粗しょう症の予防
- 葉酸 : 貧血予防、赤血球を作り出すのに必要な栄養素
- マグネシウム : 酵素の働きに作用、三大栄養素に作用するミネラル
- カルシウム : 骨や歯を作り出す必須栄養素、神経の働きに作用、精神安定効果
- カリウム : ナトリウム吸収の調整、高血圧防止
- リン : 骨や歯を作り出す必須栄養素、エネルギー代謝や脂質代謝にも作用
- 鉄分 : 赤血球を構成する成分、貧血予防
また、ゼンマイ自体は繊維を多く含んでおり、特に不溶性食物繊維が多く含まれいているため、便秘に悩まされている場合は、大腸の蠕動運動を促し、整腸作用も期待されます。
ゼンマイの効能
- 利尿作用
- 高血圧
- 貧血、補血
- 滋養強壮
- 催乳 など
食用ゼンマイのまとめ
項目 | ゼンマイ |
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分類 | ゼンマイ科ゼンマイ属 |
学名 | Osmunda japonica |
生薬名 | 貫衆 |
場所 | 日本全国の平地や山地 湿気が多い場所 |
採取時期 | 葉 : 春 全草:夏 |
大きさ | 葉の長さ:50cm~1m |
薬用部位 | 若葉、全草 |
調製法 | 天日乾燥 アク抜きが必要 |