クコの実はウルフベリーやゴジベリーとも呼ばれる、ナス科の落葉低木に付ける赤色の果実です。漢方の世界では、乾燥させてお粥や中華デザートの食材として使用されます。
万能薬としても知られるクコの実は、ビタミンB1、B2、Cが特に豊富に含有しているだけではなく、ルチンやベタインという栄養成分を多量に含んでいます。
特に、ルチンという栄養成分は血管を強化する作用があるため、高血圧の方や肩こりや偏頭痛が酷い人には効果的です。
ベタインは消化を促進する作用があるため、肝臓に脂肪が蓄積するのを抑制する働きが期待できます。その他、血液をアルカリ性にするため、疲労回復の効果も期待できます。
クコの実の特徴と採取
クコの木は日本全国の川の縁や道端、山際や田畑の土手などに群生します。また、最近では商用のために、栽培されています。
クコの木の樹高は1m~1.5m程度と低木にあたります。また枝は1m程度まで生長し、細長くしなやかで、枝には多量の葉が生い茂ります。
クコの木の枝には棘があります。8月~10月に葉脇から1cm程度の紫色の花を咲かせます。その後、秋になると、橙色~赤色の果実を結実させます。
クコの葉を採取して薬用に用いる場合は、夏の時期に採取します。その後、秋になり果実が結実しますので、秋の時期にクコの実を採取します。
クコの実の使用方法
クコは、食用や薬用として果実を使用するだけではなく、薬用として葉や根皮も使用できます。これらは、天日干しして乾燥したものを用います。
煎じ法(一)
- 乾燥したもの6g~15gをコップ4杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:糖尿病、消炎、解熱、滋養強壮、肺結核
煎じ法(二)
- 乾燥葉10g~15gをコップ4杯の水で煎じます
- お茶代わりに飲用します
- 効果:高血圧症の予防、動脈硬化の予防、利尿効果
クコ茶の作り方
作り方
春から夏の時期に、若葉を採取します。葉や茎に付いたゴミや埃を取り除くため、水洗いします。沸騰した蒸し器で2分~3分蒸します。素早くザルなどにあげて、冷ましてから、直射日光で自然乾燥させます。
ただし、柔らかい若葉の場合は蒸す必要はありません。水洗いした後、直射日光ではなく、風通しの良い日陰で乾燥させます。乾燥する過程(半乾燥の状態)で、ハサミで3ミリ程度に刻みます。その後、陰干しで完全に乾燥するまでには、1週間~10日程度掛かります。
効果
- 滋養強壮
- 健胃
- 便秘
- 冷え性
- 動脈硬化
- 心臓病
- 肝臓病
- 腎臓病 など
飲用法
- 乾燥したクコの葉を弱火で煎ると風味が出来ます
- かき混ぜながら、よい香りが出るまで煎る
- 煎ったクコ茶を一つまみ用います
- 熱湯を注いで3分程度で飲用します
クコの実酒の作り方
材料
- クワの実 :500g
- ホワイトリカー:1.8L
- グラニュー糖 :300g
作り方
- 熟した果実を採取します
- よく水洗いします
- 水気を完全に取り除きます
- 材料を容器に入れ漬け込みます
保存
- 保存場所 :冷暗所
- 保存期間 :3ヶ月
- 材料引き上げ時期:3ヶ月(布でこす)
- 熟成期間 :6ヵ月
効果
- 疲労回復
- 滋養強壮
- 血液サラサラ効果
- 利尿効果
- 不眠症
飲用法
- 一回1杯~2杯
- 毎日飲用する
クコの葉の食べ方
春先に採取した、柔らかい若葉は生のまま食用します。クコの葉を用いた主な料理は下記の通りです。
- 天ぷら
- 味噌汁や吸い物の具
- おひたし
- 煮浸し
- 和え物
- 炒め物
食用クコのまとめ
項目 | クコ |
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分類 | ナス科クコ属 |
学名 | Lycium chinense |
生薬名 | 枸杞子 枸杞葉 地骨皮 |
場所 | 日本全国の原野 川の縁や道端に自生 栽培 |
採取時期 | 葉:夏 果実/根皮:秋 |
大きさ | 樹高:1m~1.5m |
薬用部位 | 果実、葉、根皮 |
調製法 | 天日乾燥 |