雑草のイメージが強いオオバコですが、実は意外な薬用効果があることをご存知でしょうか? 今回は、オオバコの効能とオオバコを煎じて飲む「オオバコ茶」の薬用効果をご紹介します。
オオバコと言う名前の由来は、葉のサイズが大きいため「大葉子」と漢字を当てたことが語源になっています。漢方では、「車前草」と呼称しますが、その昔は車(牛車や馬車)が走る地面に、よく生えていることから、その名前が付けられました。
オオバコと言えば、子供の頃、花の茎の部分(花柄)を根本から摘んで、花柄を交差させて、相手と引っ張り合う「オオバコ相撲」を思い出します。日本全国の道端に生えている馴染みのある雑草ですが、意外な効能があったりします。
オオバコの使用法
地上部の葉や葉茎などの全草を天日乾燥させ、種は熟したものを自然乾燥して、煎じて飲みます。それでは、オオバコ茶の飲み方と患部への貼付の仕方、および生葉の食し方を解説します。
煎じ法(一)
- 種子5~10gにコップ4杯分の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:咳止め、下痢、眼精疲労など
煎じ法(二)
- 葉や種子5~8gに生薬の甘草1gを加えます
- コップ4杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果 : 淋病、膀胱炎
煎じ法(三)
- 全草5~10gをコップ2杯の水で半量まで煎じます
- 一日3回食後に服用します
- 効果 : むくみ、利尿効果
貼布法
- 生の葉を火で炙り、柔らかくします
- 皮膚などの患部に直接貼ります
- 効果 : 腫れ物、排膿
食べ方
- 生の若葉を摘みます
- 塩少々を加えた熱湯で、柔らかくなるまで茹でます
- 和え物、油炒め、汁物の具にして食します
- 生の若葉は天ぷらにも適しています
オオバコの薬効効果
- 咳止め、喘息(ぜんそく)
- 下痢、健胃、腸整作用、腹痛、利尿
- 眼精疲労
- 蓄膿症、腫物
- 婦人病
- 心臓病
- ノイローゼ
- 淋病
- 頭痛
オオバコが便秘解消やダイエット効果が期待できる理由
食物繊維には溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維とは水に溶けない食物繊維のことです。
水に溶けないため、胃や腸内では水分を吸収して繊維が大きく膨張します。この作用により、大便のカサが増加します。また、水分を吸収して膨張した食物繊維に腸が刺激を受けて、蠕動(ぜんどう)運動が促されます。
このように腸内が活性化することにより、より便通が促され便秘が解消されやすくなるというわけです。また、上記の通り、体内から排出される便の量も多くなるため、ダイエット効果も期待できます。
オオバコ食用のまとめ
項目 | オオバコ |
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分類 | オオバコ科オオバコ属 |
学名 | Plantago asiatica |
生薬名 | 車前子 |
場所 | 日本全国の道端 日陰の庭先 |
採取時期 | 葉茎は夏、種子は秋 |
大きさ | 草丈は10~30cm |
薬用部位 | 全草、種子 |
調製法 | 地上部位を採取し水洗い後に天日乾燥 熟した種子を自然乾燥 |