タラの芽は独特の香りとまろやかなコクと軽い苦味がある味覚で、春の山菜の中では最も人気が高いものの一つです。ウコギ科のタラノキは、落葉低木で、樹高は2m~4m程度まで生長します。
タラの芽が市場に出回る時期は、2月から4月頃が最盛期になります。産地は、主に東北地方と群馬県になります。
タラの芽の特徴と採取
タラノキは日本全国の山野に繁殖します。山間部のがけ地や荒れ地に自生します。
樹高は2メートルから4メートルくらいにまで生長することがあり、低木の広葉樹に分類されています。
樹の幹はは垂直に生長しますが、枝は分岐するものの、それ程多く出ることはありません。枝先から木の芽が出て、このタラノキの若芽を「タラの芽」と言い、山菜として珍重しています。
全体的に、枝にはトゲが満遍なく生えているため、タラの芽を摘む時は注意が必要です。また、タラの葉は枝先に傘のように生い茂ります。
タラの芽の使用法
タラノキの皮を用いて煎じる場合は、樹皮や根皮を天日干しして自然乾燥して使用します。
煎じ法
- 根皮(または樹皮)10g~15gをコップ2杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します。
- 効果:下記参照
タラの芽の食べ方
春(地域により異なるが1月~5月頃)に若芽を出した枝から、芽と枝の基部からもぎ取るように採取します。若芽の下部に付いたはかまを取り除き、軽く茹でた後、調理します。ただし、天ぷらにする場合は、茹でずに生のまま油で揚げます。
タラの芽の料理
- 天ぷら
- おひたし
- 煮びたし
- 和え物
- ホイル焼き
- 粕漬け
タラの芽の栄養成分
- β-カロテン:強い抗酸化作用、動脈硬化やがん予防
- ビタミンB1:疲労回復、皮膚や粘膜の保持
- ビタミンB2:新陳代謝の促進、美容効果
- ナイアシン(B3):水溶性ビタミンの一種
- ビタミンB6:皮膚や粘膜の保持
- ビタミンC:抗酸化作用、老化防止、動脈硬化
- ビタミンE:抗酸化作用、老化防止、動脈硬化やがん予防
- 葉酸:貧血予防、赤血球を作り出すのに必要な栄養素
- マグネシウム:酵素の働きに作用、三大栄養素に作用するミネラル
- カルシウム:骨や歯を作り出す必須栄養素、神経の働きに作用、精神安定効果
- カリウム:ナトリウム吸収の調整、高血圧防止
- リン:骨や歯を作り出す必須栄養素、エネルギー代謝や脂質代謝にも作用
- 鉄分:赤血球を構成する成分、貧血予防
タラの芽の効能
- 整腸作用、健胃、胃腸病
- 糖尿病
- 神経痛
- 高血圧
- 腎臓病
- 胃ガン
- 滋養強壮、強精作用
食用タラの芽のまとめ
項目 | タラノキ |
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分類 | ウコギ科タラノキ属 |
学名 | aralia elata |
生薬名 | 楤木、楤根 |
場所 | 日本全国の山野 崖地や荒れ地 |
採取時期 | 根皮:6月~7月 樹皮:10月~11月 |
大きさ | 樹高:2m~4m |
薬用部位 | 樹皮、樹根、若芽 |
調製法 | 煎じる場合は天日乾燥 基本的に生食は茹でる |