ヨシはアシとも呼称される、イネ科の多年草で、日本全国に自生する野草の一つです。一見、厄介な雑草としか見られないヨシですが、ヨシの根は蘆根と称され、古の時代から漢方薬の一種として用いされてきました。
また、ヨシと言えば、夏の暑い時期に日陰を作る、よしず、すだれ、すのこ、などを加工する時の材料として利用されてきました。根は薬代わりに、茎は日用品として用いられてきた、有用な野草です。
また、最近の研究では、ヨシには水を浄化する作用があるとされています。そのため、ヨシが生えている河川には水生生物が豊富だとされています。
ヨシの特徴と採取
ヨシは日本全国の河川、湖、沼池などやその周辺に自生する大形の多年草です。久木田家は、2m~3m程度にまで真っ直ぐ生長します。
ヨシの茎は長い線型の形状をしており、少し青っぽい緑色で、茎に対して疎らに付けます。ヨシの葉は笹のように、葉の外側の縁は鋭利なナイフのようで、素手で触ると切れてしまうことがあります。
茎の先端には稲が穂を付けるように、8月~10月頃になると、ヨシは長さ20cm~40cmの円錐花序を付けます。
ヨシの花は、くすんだ褐色で2個~4個の小花からなります。花の元には長く白っぽい毛が付いています。
ヨシの地下茎は、長く横に伸長して生長します。色は黄白色で扁平の形状をしています。そして、節より多数のヒゲ根を出して根を広げていきます。
ヨシの根茎を飲用する場合、採取する時期は10月~11月の秋頃になります。
ヨシの使用法
ヨシを飲用する場合は、根茎を水洗いしてから天日干しをして自然乾燥して用います。
煎じ法
- 乾燥した根茎5g~10gをコップ1杯半の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:利尿採用、浮腫み、吐き気
お茶としての飲用法
- 乾燥した根茎5g~10gを煎じて、お茶代わりに飲用します
- 効果:消化不良、浮腫み、肝臓病、黄疸
内服法
- 生の根茎を砕き潰して生の汁を飲用します
- 効果:胃の熱を冷ます効果、吐き気を治す効果、尿意の調整
ヨシの薬用効果
- 利尿採用
- 浮腫み
- 吐き気
- 止血
- 解熱
- 発汗
- 消化促進
- 健胃
- 肝臓病
- 膀胱炎
- 食中毒
- 黄疸
食用ヨシのまとめ
項目 | ヨシ/アシ |
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分類 | イネ科ヨシ属 |
学名 | Phragmites australis |
生薬名 | 蘆根 |
場所 | 日本全国の河岸や湖沼の縁や土手などの湿った場所 |
採取時期 | 10月~11月 |
大きさ | 草丈:2m~3m |
薬用部位 | 根茎 |
調製法 | 水洗い後に天日乾燥 |