スイバという名の語源は、「酸い葉」に由来します。つまり、酸味が強く、葉が酸っぱいために、そのような名前が付けられたというわけです。
実際に、葉を噛んでみて、葉汁を味わってみると分かりますが、青臭さと同時に、酸味が非常に強いことが感じられると思います。
地方により、スイバは様々な呼び名が付けられています。例えば、下記のように呼称をすることもあります。
- シカナ
- シカンショ
- シカシカ
- シコシコ
- スカナ
- スカンコ
- スカンポ
- アカスコ
- デデ など
スイバの特徴と繁殖場所
スイバは、日本全土の日当たりの良い場所によく繁殖します。例えば、湿気のある道端、田畑の土手や畦道、あるいは野原などに、スギナのような他の雑草と伴に繁殖します。
スイバは、若葉の時には、若い苗の葉や茎は、薄紫のような赤っぽい色をしています。生長と伴に、赤色は薄くなり、やがて緑色に変わっていきます。
スイバはギシギシという野草に非常に良く似ているため間違えられやすいですが、実際にはスイバとギシギシ別品種の野草になります。ギシギシと比べると、スイバの方が若干小さいのが異なる特徴です。
スイバの葉の長さは5cm~15cmで、茎は比較的長いのが特徴です。草丈の高さは、30cm~80cmくらいになります。
初夏の頃になると、茎の先端部分に薄い緑色の無数の花を付けます。また、スイバの花は赤い小花を穂状付けます。スイバは雌雄異株で、果実を付け、円形になります。
スイバの使用法
スイバを煎じて飲んだり、葉や根の絞り汁を塗布したり、生のまま調理をしたりして食すことが出来ます。煎じて食す場合は、採取後に、水洗いして、天日干しにより自然乾燥させます。
また、生で調理して食べる場合は、スイバはシュウ酸を含みますので、生のまま食べ過ぎると、腎臓に負担が掛かったり、尿道結石などの要因になります。
煎じ法(一)
- 乾燥した花3g~6gをコップ2杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:整腸作用、健胃
煎じ法(二)
- 乾燥した根5g~10gをコップ3杯の水で半量まで煎じて服用します
- 効果:緩下(腸を刺激し、穏やかに排便を促す作用)
塗布(一)
- 根の煎じ汁を患部に塗ります
- 効果:外傷
塗布(二)
- 葉の絞り汁を患部に塗ります
- 効果:寄生性皮膚炎
飲み方
- 全草を細かく刻んでお茶代わりに飲用します
- 効果:整腸作用、健胃、制ガン作用
生葉の食べ方
若葉を採取し、熱湯で茹でた後、水に晒しておきます。その後、下記のような料理に調理することが出来ます。
- 煮物
- 煮びたし
- おひたし
- 和え物
- 一夜漬け
- 薬味 など
スイバの主な薬用効果
- 整腸作用、健胃、緩下
- 外傷(切り傷、虫刺され)
- 寄生性皮膚炎(たむし、かいせん など)
- リューマチ
- 解熱 など
食用スイバのまとめ
項目 | スイバ |
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分類 | タデ科スイバ属 |
学名 | Rumex acetosa |
生薬名 | 酸模 |
場所 | 日本全国の原野 野原や田畑の土手 日当たりがよい場所 |
採取時期 | 春~初夏、7月~8月 |
大きさ | 葉茎の高さは30~80cm |
薬用部位 | 全草 |
調製法 | 天日干しによる乾燥 |