春から夏にかけて野原一面に群生するスギナの煎じ方法とスギナの地下茎から胞子茎として地面に顔を出すツクシの食べ方、および薬用効果について解説します。
スギナやツクシは日本全土の原っぱや畑の土手などに繁殖する、厄介な雑草のイメージが強いですね。ところが、扱い方によっては、特にスギナは薬用効果が期待でき、ツクシは食用の山菜として知られています。
スギナやツクシの採取
ツクシは春先になると地上から群生して芽を出します。実は、ツクシはスギナの地下茎で作られた胞子から成長した胞子茎になります。
例えて言えば、松の木の根元付近から出て来るマツタケと同じ関係になります。つまり、松の木からの胞子から栄養を貰いマツタケが発生するのと、スギナからの胞子から栄養を貰いツクシが発生する構造は同じです。
スギナが地上に群生する前に、ツクシが芽を出し、その大きさは、概ね10cm~25cm程度です。茎は柔らかなストローのように円柱状で、茎には退化した、はかまが茎の節についています。
ツクシの寿命は短く、緑色の胞子を飛ばした後は、直ぐに枯れてしまいます。ツクシがけれた後には、スギナが次から次へと生長します。
スギナの使用法
基本的には、スギナを煎じて使用する場合は、全草使うことが出来ます。まずは、採取した後、水洗いをして、天日干しで乾燥させます。また、塗布で使用する場合は、生のスギナを使用します。
煎じ法(一)
- 乾燥したスギナ10gをコップ3杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:利尿作用、腎臓炎
煎じ法(二)
- 乾燥したスギナ5g~10gをコップ3杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:去たん、膀胱炎、肋膜炎、肺結核
塗布法
- 生のままスギナを磨り潰します
- スギナの生汁を患部に塗ります
- 効果:漆かぶれ
ツクシの食べ方
ツクシの下ごしらえ
- 10cm程度のツクシを採取します
- ツクシの節に付いているはかまを取り除きます
- 茎の部分だけを茹でて、水に晒しておきます
- アクを取ってから調理をします
ツクシ料理
- 佃煮
- 煮物
- 和え物(みそ、ごま)
- 酢の物
ツクシは春の旬の食材として、春の山菜料理では欠かすことが出来ないものになります。若干の苦味がありますが、むしろ食通にはこの弱い苦味がツクシ料理の醍醐味でもあります。
食用スギナのまとめ
項目 | スギナ |
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分類 | トクサ科トクサ属 |
学名 | Equisetum arvense |
生薬名 | 問荊 |
場所 | 日本全国の原野 野原や田畑の土手 日当たりがよい場所 |
採取時期 | 5月~7月 |
大きさ | 葉茎の高さは20~40cm |
薬用部位 | 全草 |
調製法 | 天日干しによる乾燥 |