春の訪れと伴に、春の風物詩とも言える、最も春を象徴する山菜と言えば、「フキノトウ(蕗の薹)」です。フキノトウは、地中から出た若芽(花茎)のことを示していますが、成長したものをフキと言います。
フキは、日本原産の植物で、北海道、本州、四国、九州などの平地から山地の道端、野原、沢辺などで群生して繁殖します。
食品スーパーなどで店頭に並んでいるものは、昔から愛知ブキと栽培されてきたもので、愛知早生という品種になります。
フキとフキノトウの採取
- 雌雄異株の多年草ですが、3月~5月に若芽となる花茎が出る
- 地下茎から花茎を伸ばし頭状花をつける
- 雄花は黄白色、雌花は白色の花茎となる
- 地中から芽を出した花茎はフキノトウと呼ばれている
- 成長すると花を咲かせ、葉柄は30cm~60cm程度
フキ/フキノトウの使用法
フキノトウ(葉茎)や根を乾燥したものを使用します。ただし、乾燥させる時には、天日干しをするのではなく、陰干しにして乾燥させます。
煎じ法(一)
- 乾燥したフキノトウや根10~15gをコップ2杯の水で煎じて服用する
- 効果:打ち身、腫れ物、できもの、咽頭痛
煎じ法(二)
- フキノトウ5~10gをコップ1~2杯で煎じて服用する
- 効果:咳止め、去たん、食欲増進
塗布法
- 葉の絞り汁を患部に塗ります
- 効果:虫刺され、切り傷、打ち身
貼付法
- 根を細かく砕きます
- 砕いた根を患部に貼付します
- 効果:腫れ物、できもの、打ち身
内服法
- 生の茎葉の絞り汁を飲用します
- 効果:虫刺され、魚の中毒
食べ方(生で山菜として食べる場合の調理)
- 味噌汁の具などにして食べます
- 効果:胃腸回復、解熱、疝気
生のフキを食べる時の調理方法
フキはアクが強い山菜ですので、水でアク抜きの下ごしらえをシッカリすることが重要です。
アク抜きをした後、茎を覆っている外皮を剥きます。そして、水に晒しておき、その後に調理に取りかかります。
一般的に、フキの料理として人気が高いものは、下記の通りです。
- 煮物
- 和え物
- 油炒め
- 味噌汁や吸い物の具
- 佃煮
また、フキノトウは、季節の料理として、天ぷらやお吸い物の具、あるいは薬味として使用されることが多いですね。
食用フキのまとめ
項目 | フキ |
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分類 | キク科フキ属 |
学名 | Petasites japonicus |
生薬名 | 和款冬花 |
場所 | 日本全国の道端 野原や田畑の土手 沢辺や山間部の谷間 |
採取時期 | 3月~5月 |
大きさ | 葉茎の高さは30~60cm |
薬用部位 | 葉茎(フキノトウ)、根 |
調製法 | 天日乾燥ではなく、陰干しで乾燥させる |