ハコベとは、ナデシコ科ハコベ属の二年草(多年草)の野草で春の七草の一つです。
比較的暖かい地域では、日当たりが良いところであれば、真冬でも花を咲かせることがあります。
ハコベは、昔からペットとして飼育する小鳥のエサとして広く利用されてきました。
ハコベの特徴と採取
ハコベは日本全国の道端や田畑の土手などに自生するほか、原野や河川の堤防などに群生することもあります。
ハコベの葉は、卵型の形状をしていますが、葉先が少し尖った形をしており、茎に対生する形で葉を付けます。春先になると、枝先に多数の小さな白色の花を咲かせます。
一般的に、食用や薬用として用いられる品種はミドリハコベと言っています。それに対して、茎が薄っすらと紫褐色を帯びている品種をコハコベとして区別しています。
ハコベを薬用で用いる場合は、全草を採取して使用します。採取時期は5月~7月までです。また、生葉として用いる場合は、随時、採取して使用できます。
ハコベの使用法
ハコベを煎じて用いる場合は、全草を採取して、水洗いをしてから天日干しで自然乾燥して使用します。貼付薬などの生葉を用いる場合は、水洗いをして埃やごみを取り除いて、そのまま使用します。
煎じ法
- 乾燥した全草10gをコップ2杯の水で煎じ、服用します
- 効果:浄血、催乳、腎臓病のむくみ
貼付法
- 摘んだ生葉を揉んで柔らかくしたものを患部に貼ります
- 効果:腫物、歯痛
ハコベ塩の作り方
- ジューサーなどで青汁を作ります
- 塩を加えて、フライパンで乾燥粉末にします
- 効果:歯痛、歯槽膿漏、歯茎の出血、歯磨き粉に使用
青汁の作り方
- 生の全草をミキサーを使用してジュースにします
- 飲み難い場合はハチミツなどで味を調えます
- 効果:浄血、催乳、利尿 など
ハコベの食べ方
- 若芽や苗を熱湯で軽く茹でて使用します
- 和え物、おひたし、味噌汁や吸い物の具に使用します
- 若苗を生のまま天ぷらにしても、美味しく頂けます
ハコベの薬用効果
- 浄血
- 催乳
- 整腸作用、胃腸病
- 腫物
- かっけ
- 歯痛、歯ぐきの出血、歯槽膿漏、
- 利尿作用
- 腎臓病(むくみ) など
食用・薬用ハコベのまとめ
項目 | ハコベ |
---|---|
分類 | ナデシコ科ハコベ属 |
学名 | Stellaria |
生薬名 | 繁縷 |
場所 | 日本全国の原野 道端、田畑や河川の土手 |
採取時期 | 5月~7月 生葉:随時 |
大きさ | 草丈:10cm~20cm |
薬用部位 | 全草 |
調製法 | 天日乾燥 生葉は水洗い後に使用 |