ナツメは、クロウメモドキ科ナツメ属の果実樹からなるフルーツですが、漢方では果実を乾燥したものを食材や漢方薬として使用されています。
特に、中国、台湾、韓国などでは、健康を支える食材として、スープや煮物料理などに頻繁に用いられています。
漢方では、大棗(ダイソウ)と呼称され、一般的には、乾燥した赤色の乾物が良く使用されますが、更に燻製の状態にしたものは黒色の乾物となります。
これは黒ナツメとして知られ、ミネラル類(カリウム、カルシウム)、ビタミンB群(葉酸、ナイアシン)、食物繊維など非常に多くの成分を含んでいます。
ナツメの特徴と栽培・採取
ナツメは元来、ヨーロッパやアジアまで広範囲の地域で栽培されています。果実には、ショ糖や酒石酸が含有され、栄養成分も豊富のため、薬効が期待されます。
果実の生食の場合は、フルーツの果肉はみずみずしく水分が多いが、甘さや酸味などは控えめです。一般的に、販売されているナツメは赤色のものではなく、緑色のものが多いです。
ナツメの果実の栽培は、暑さや寒さにも強く、乾燥にも問題がないため、日本でも栽培が可能だとされています。初夏の頃に花を咲かせて、秋が収穫期とされています。
ナツメの使用方法と煎じ方
一般的に、日本で流通しているナツメの実は、乾燥したナツメで大棗と呼ばれます。大棗とは、軽く湯同視した後の果実を天日干しで乾燥したものになります。
煎じ法(一)
- 乾燥した大棗20個~30個をコップ4杯の水で半量に煎じます
一日3回に分けて飲用します - 効果:咳止め、健胃、利尿作用、精神安定、不眠症、鎮痛作用
煎じ法(二)
- 種子30gをコップ3杯の水で半量に煎じます
- 就寝前に服用します
- 効果:強壮作用、神経衰弱、不眠症、鎮痛 など
ナツメの薬用酒の作り方
ナツメの薬用酒は乾燥した大棗から作られ、効果・効能は強壮作用、精神安定、咳止めなどの効果が期待できます。
材料
- ナツメの実:300g
- ホワイトリカー:1.8L
- グラニュー糖:300g
作り方
- 熱湯で果実酒瓶を消毒処理します
- 瓶を乾燥させ水気を取ります
- 上記の材料を漬け込みます
保存・熟成期間・保存場所
- 保存場所 :冷暗所
- 最低保存期間:3ヶ月
- 熟成期間 :5ヶ月以上
- 材料引き上げ:3ヶ月後(布で漉す)
服用法
- 咳止め :小カップ1杯 / 回
- 強壮作用:小カップ1杯~2杯 / 回
ナツメの効果・効能
- 強壮作用
- 緩和、利尿作用
- 咳止め
- 鎮痛、のど痛
- 精神安定、神経衰弱、不眠症、催眠作用
- 健胃
- 解毒
食用ナツメのまとめ
項目 | ナツメ |
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分類 | クロウメモドキ科ナツメ属 |
学名 | Ziziphus jujuba |
生薬名 | 大棗、酸棗仁 |
場所 | ヨーロッパ原産 各地で栽培 |
採取時期 | 秋に果実が熟した時 |
大きさ | 樹高:3m~8m |
薬用部位 | 果実、種子 |
調製法 | 天日乾燥、生食 |