セリと言えば、春の七草の代表的な野草、あるいは鍋物の食材として昔から珍重されてきました。
日本では、春先に若い茎や根を七草粥にするのが最も有名な食し方ですが、おひたしなどにも用いられ、春の季節の野草として人気があります。
セリの特徴と採取
セリは日本全国の水田の土手、沢辺、湿地や溝地などの湿気の多い場所に自生して繁殖をします。ただし、最近は商業栽培も多くなってきています。
セリには、独特の強い香りがあり、この香りの成分には、発汗を促す作用があり、風邪の症状などでの冷えに効果を発揮するとされています。
セリの採取時期は、6月から7月くらいまでで、草丈は20cm~40cm程度にまで生長します。夏の時期には、茎の先端に白色の可愛らしい小さな花をたくさん咲かせます。
セリの使用法
セリを煎じて飲用する場合は、天日干しで乾燥させてから煎じる方法と生のまま煎じる方法があります。
また、絞り汁は解熱の効果があるとされております。その他、浴湯用として、お風呂に入れて使用することもあります。
煎じ法
- 全草を濃い煮汁になるまで煎じて服用します
- 効果:整腸作用、急性胃腸炎、健胃
絞り汁の利用法
- セリを生のまま搾ります
- 絞り汁を2~4cc服用します
- 効果:小児の解熱
浴湯用としての利用方法
- 乾燥したセリ、あるいは生のセリを布袋などに入れて、湯船に入れます
- 効果:中風、霜焼け など
セリの食べ方
セリは、葉、茎、根の全草を食べることが出来ます。採取後に、生のまま鍋物や味噌汁や吸い物の具として使います。
あるいは、採取後に新鮮なものを熱湯で茹でて、水に晒してから、和え物、酢の物、おひたしにして食べます。
サラダとして食べる場合は、生のままでも食べられますが、軽く茹でてから食べても良いでしょう。天ぷらにする場合は、生のまま衣を付けて揚げます。
セリの根だけを使って、きんぴらにすると非常に美味です。
セリの栄養成分
- β-カロテン:強い抗酸化作用、動脈硬化やがん予防
- ビタミンB1:皮膚や粘膜の保持、脳神経や手足の神経の保持
- ビタミンB2:新陳代謝の促進、美容効果
- ナイアシン(B3):水溶性ビタミンの一種
- パントテン酸(B5):動脈硬化の予防、ストレスの緩和
- ビタミンB6:皮膚や粘膜の保持
- ビタミンC:抗酸化作用、動脈硬化や老化の防止、美肌効果
- ビタミンE:抗酸化作用、老化防止、動脈硬化やがん予防
- ビタミンK:止血作用、骨粗鬆症の予防
- 葉酸:貧血予防、赤血球を作り出すのに必要な栄養素
- マグネシウム:酵素の働きに作用、三大栄養素に作用するミネラル
- カルシウム:骨や歯を作り出す必須栄養素、神経の働きに作用、精神安定効果
- カリウム:ナトリウム吸収の調整、高血圧防止
- リン:骨や歯を作り出す必須栄養素、エネルギー代謝や脂質代謝にも作用
- 鉄分:赤血球を構成する成分、貧血予防
セリの薬用効果
- 神経痛、リュウマチ
- 整腸作用、健胃、急性胃腸炎、胃麻痺、下痢止め
- 利尿作用
- 解熱
- 咳止め
- 中風、霜焼け
- 滋養強壮
- 疲労回復
食用セリのまとめ
項目 | セリ |
---|---|
分類 | セリ科セリ属 |
学名 | Oenanthe javanica |
生薬名 | 水芹 |
場所 | 日本全国の平地や山地 水田の土手、沢辺、湿地、溝地 |
採取時期 | 6月~7月 |
大きさ | 草丈:20cm~40cm |
薬用部位 | 全草 |
調製法 | 生のまま使用する 煎じる場合は天日乾燥 |