誰もが知っている「ウドの大木」という比喩表現があります。ウドの大木とは、身体が大きくても何の役にも立たないという意味で使われます。ところが、実は、ウドには食用としても、薬用としても、有用な山菜であります。
大木と言っていますが、そもそもウドは樹木ではなく、多年草の植物に区分されています。古の時代から、食用されてきた植物だけではなく、薬用植物として、煎じて飲用されたり、磨り潰して塗布されて用いされてきました。
ウドの特徴と採取
ウドは日当たりの良い、湿気の多い場所を好んで繁殖します。日本全国の山野、雑木林、山間部の沢辺などに自生します。また、市場や店頭で販売されているモノは畑で栽培されたものです。
春に地上から芽を出し、そのまま生長すると1.5m~2.0mくらいまで草丈を伸ばします。夏になると、茎の先端に白っぽい球状の小花を密集させて開花させます。
ウドの煎じ法と使用法
煎じ法
- 乾燥した根茎5g~10gをコップ2杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:風邪、頭痛、神経痛、リュウマチ、中風
飲用法
- 生の茎や根をジューサーで絞ります
- 一回30cc程度を一日3回服用します
- 効果:精神安定
浴湯利用
- 乾燥した茎葉を刻んで網袋に入れて、浴槽に入れて使用します。
- 効果:痔 など
ウドの食用方法
ウドは春先に若芽を生やします。茎の土を掻き分けて、根元を鎌などで切り取ります。生のウドを調理して食べる場合は、あまり大きくなり過ぎると茎の部分が硬くなり、アクも強くなりますので、30cm以下のものが最適です。
生でウドを食用する場合は、茎をピーラーなどで皮を剥いた後、5mm程度に斜めに輪切りにして、水に晒しておきます。その後、酢味噌、マヨネーズやドレッシングを付けて食べます。
山ウドの場合はアクが強いため、熱湯で軽く茹でてから調理します。
ウド料理
- 生のまま酢味噌やドレッシング
- 茹でたウドに酢味噌やドレッシング
- 若芽は生のまま天ぷら
- 味噌汁や吸い物の具
- 粕漬けなどの漬物
- 煮物や油炒め(少し硬いもの)
ウドの薬効効果
- 頭痛、歯痛、腹痛
- 風邪、解熱、発汗
- 滋養強壮
- めまい
- 精神安定
- 痔
- 神経痛、リュウマチ
- 中風、手足のしびれ
食用ウドのまとめ
項目 | ウド |
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分類 | ウコギ科タラノキ属 |
学名 | Aralia cordata |
生薬名 | 和独活 |
場所 | 日本全国の山野 日当たりが良く湿度の高い場所 |
採取時期 | 根:春と秋 茎:5月~7月 |
大きさ | 茎高:~1.5m |
薬用部位 | 根茎(全草) |
調製法 | 煎じる場合は天日乾燥 生食はアク抜きが必要 |