「アカザ」と聞いて、どのような植物かイメージできる方は、雑草に詳しい方か植物が好きな方でしょう。多くの人はアカザの写真を見て、畑や畑の土手などで見たことがあると思うことでしょう。
アカザと同じ品種に、シロザという植物もある。実は、シロザとアカザの違いは、若芽が白っぽい色をしている方がシロザで、赤っぽい色をしている方がアカザになります。
また、シロザが原種(祖先種)でアカザが変種だとされています。その他にも、同じ品種の植物で、亜種や変種が見られます。
一般的には、アカザやシロザは雑草と考えられていますが、古の時代から食用されてきたという記録が残されています。
アカザの特徴と採取
日本全国の人里近くの道端、畑や田畑の土手、野原や空き地などに自生し、繁殖しています。
草丈は、60cm~1m以上になり、更に生長すると1.5mほどにまで大きくなります。
若芽は赤紫色で綺麗な色彩ですが、更に生長すると濃緑色に変化します。
春から夏に大きく生長し、夏には茎の先に黄緑色の小さな花を穂状に付けます。そして、秋には扁平形の黒っぽい光沢のある実を付けます。
アカザの採取時期は春から秋の時期になりますが、秋になると茎の繊維質が木質化するため硬くなります。生葉を調理して食用する場合は、夏頃までが柔らかく頂けます。
また、英語では”fat hen”と呼ばれ、つまり「太った雌鶏」です。このように、鶏のエサとしても使用されています。
アカザの使用法
アカザは煎じて飲用して用いる場合は、葉、茎、種を天日干しにより自然乾燥して使用します。
生の葉を食用する場合は、ほうれん草と同じように、シュウ酸を多く含むため、湯通しした後に調理します。
また、生の葉の絞り汁やエキスは、患部に塗ることで、薬効効果が期待できます。
煎じ法
- 乾燥した全草20gをコップ4杯の水で煎じます
- 一日3回に分けて服用します
- 効果:中風予防や治療、高血圧、動脈硬化
塗布方法
- 小瓶に水洗いして水分を除いた生葉を詰めておきます
- 小瓶に消毒用エタノールをヒタヒタになるまで注ぎます
- 1週間~2週間で液体が緑色に変わってきたら出来上がりです
- 効果:虫刺され、腫物、湿疹、切り傷、たむし など
※ アカザエキス含有のエタノールを脱脂綿などで患部に塗って使用します。
食べ方
- 和え物
- おひたし
- 油炒め
- 吸い物や茶碗蒸しの具
アカザの効能
- 虫刺され、切り傷
- 湿疹、腫物、口内炎、たむし、疥癬(かいせん)
- 咽頭痛、歯痛
- 健胃
- 滋養強壮
- 利尿作用
- 高血圧症、動脈硬化予防
- ビタミン補給 など
食用アカザのまとめ
項目 | アカザ |
---|---|
分類 | アカザ科アカザ属 |
学名 | Chenopodium album |
生薬名 | 藜 |
場所 | 日本全国の平地や山地 道端、田畑、野原や空き地 |
採取時期 | 春~秋 |
大きさ | 葉の長さ:60cm~1.5m |
薬用部位 | 若葉、種子 食用は葉と茎 |
調製法 | 煎じる場合は天日乾燥 塗布は生葉を使用 |