土作りは野菜作りと言われるように、家庭菜園で最初にすべきことは土作りです。ここでは、野菜にとって最適な土をテーマに、下記の3つのポイントについて、簡単にご紹介します。
- 最適な土とは、どのようなものか?
- 最適な土は、どのように測られるのか?
- 最適な土は、どのように作るのか?
野菜に必要な土壌とは?
一般的に、農作物を作る際に必要なものは、水と養分と太陽光の3つです。これら3つの必要条件のうち、水と養分は土作りによりコントロールできます。そのため、土作りをする際には、水と養分が野菜にとって最適な条件になるようにすればよいわけです。
まず、水ですが、家庭菜園での野菜作りを想定してみると、野菜は水はけが良い土壌を好みます。それと同時に、水持ちが良い土壌も必要です。と言うのも、ただ単に水はけが良いだけの土壌では、土の中が直ぐに乾燥してしまい、水分不足になりがちになってしまいます。そのため、ある程度水はけが良く、なおかつ、ある程度水持ちも良いという土壌条件が最適になります。つまり、野菜作りには水を適度にコントロールできる土の種類がポイントになります。
水はけが良い土壌とは、細かいサラサラの砂のような土をイメージしてください。一方、水持ちが良い土壌とは、粘土質の固まりやすい土をイメージしてください。それぞれ、野菜栽培にはメリットとデメリットがありますが、あまりにも細かく水はけが良すぎる土は、土の中が乾燥しやすいため、野菜栽培には適していません。その一方で、あまりにも硬く粘土質の土は野菜の根が伸び難く、土の中の養分を十分に吸収しにくくなりますので、野菜栽培には不向きでしょう。
つまり、適度に水はけが良く、適度に水持ちも良い、土壌が野菜作りには最適だということになります。このような土壌の種類のことを「壌土」と呼びます。
土の養分
それでは、次に土の養分について考えてみます。一言で野菜作りに最適な土の成分を言い表せば、「堆肥のように有機物が多い土」ということになります。このように堆肥中で、野菜類の生育に必要な養分は、下記のような5つの成分が基本です。
- 窒素
- リン酸
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
その他の養分の微量要素として、下記のような8つの成分も不可欠です。
- 硫黄
- ホウ素
- 鉄
- モリブデン
- マンガン
- 亜鉛
- 銅
- 塩素
さらに、野菜作りには土の性質を示す「pH」値も重要です。pHとは酸性かアルカリ性かを示す指標で、酸性pH1.0からアルカリ性pH14.0まであり、pH7.0が中性の基準値になります。野菜作りに最適なpH値は野菜の種類により異なりますが、多くの野菜は少しだけ酸性(pH5.5~pH7.0程度)の土を好むようです。鶏ふん等の肥料を長期間使用し続けていると土壌の性質がアルカリ性になりますので、その場合は、鹿沼土の細粒かピートモスを土に混ぜて中和します。
肥料作りの基本
自然堆肥を作るために必要なもの
- 落葉、枯れ草、藁など有機植物類
- 鶏糞、油かす、石灰(これらの内のどれか一つ)
- ビニールシート
落葉や枯れ草などを20~30センチくらい集め、その上に鶏糞や油かすなど発酵を促すものを5センチ程度被せ、その上にまた落葉などを20~30センチ乗せます。落葉などの有機植物類と発酵を促す鶏糞などを交互に積み重ねていきます。
最後に、山になった状態全てを上からビニールシートで覆い被せます。このようにして、発酵が進むと60度~70度程度に温度が上昇しますが、これは有機植物などの発酵が進んでいることを示しています。この状態になったら、シートを取除いて、山を崩して均した後、放置します。夏の時期は2~3ヶ月程度、冬の時期は5~6ヶ月程度経過すれば、堆肥が完成します。
施肥の仕方
堆肥の施し方には、大きく区分して下記のように2つの方法があります。
- 全面施用 : 堆肥を畑全面に散布した後、土と良く混ぜ合わせる方法
- 作条施用 : 畑の畦の横の部分に、すじ状に施す方法