生産者としての農家と販売者としての農業経営
農業と聞くと、野菜や果物を栽培すること、と思いがちですが、農業を営む農家ができることは、それだけではありません。農作業と言えば、畑作りから始まり、種まき又は苗植え、圃場管理、病害虫管理、収穫が中心です。多くの農家が、生産をメインに行い、収穫した農作物を農協に買い取って貰うまでが、主な農家が担う仕事としています。
ところが、農家の中には、農作物を栽培し収穫し、農協に卸すまでの生産活動だけではなく、地域の食品スーパーへ自作の農産物を直接卸す農家もいます。その場合は、卸売り機能として存在する農協を中抜きしているため、農家の小売店への販売額つまり小売店の買取額が、そのまま農家の売上になりますので、売上に対する利益は少し高くなります。
それだけではなく、インターネットなどの通信ツールを積極的に利用することで、卸しや小売店を通さずに、農家が消費者に直売することもできます。この場合は、農家が、生産者であり、かつ販売者となるため、農家の消費者への販売額つまり消費者の購入額が、そのまま農家の売上になりますので、売上に対する利益は、更に高くなります。
農家直売のインターネット販売の可能性
農家ができることは、生産や販売だけではありません。自ら作った農作物を、加工することも出来るでしょう。例えば、大根の栽培をしている農家であれば、漬物として沢庵(たくあん)を漬けることもできます。また、梅を栽培している農家であれば、梅干や梅酒あるいは梅酢を作ることも出来ます。農家では、このように自分の家で食べるだけのものを加工して、ご近所同士で分け合ったりしたりしています。農家の方から頂く、自家製のお漬物などは、防腐剤などを使っていないため、安全で自然の美味しさがそのまま詰まったものが多いです。
このような農家自家製の加工品を上手にプロモーションできれば、購入する消費者も増えていくものだと思います。もう少し専門的な言葉を使えば、商品の「ブランド化」ということになりますが、この場合も、最も効果的な方法はインターネットを通して販売することです。そのためには、まず自家製の加工品を消費者に広く知ってもらうことから始めることになるでしょう。
農業にはサービス業の可能性もある!?
農家ができることは、農作物を栽培する生産活動、生産した農作物を加工する加工活動、生産したり加工した入りする農作物や加工品を販売する販売活動だけではありません。その他に、農家は何が出来るでしょうか?
さらに、農家ができることは、場合によっては、教育に関する事業やサービス業をすることも可能です。つまり、農作物を作るということを「モノ作り」と考えれば、人間にとって最も原始的であり、必要不可欠な「作ること、食べること」に関する、教育をすることも出来ます。
あるいは、農作物を作ることは、市民農園などの形態で交流の場を持つことでサービス業として、仕事の業務を拡げられる可能性を秘めています。また、農家独自の料理があれば、そのような料理を目玉商品として、料理教室など開催すれば、サービス業として農家の業務を拡大することも可能でしょう。
このように、農家は農作物を作り、加工し、販売するだけではなく、視点を変えれば、農家にしかないノウハウを上手に応用すれば、教育やサービス業の分野にでも十分に業務を買う徴することが出来ます。また、そのようなサービス分野の売上の方が、農作物を販売するよりも、多くの収入を得られるチャンスがあるかもしれません。