農作物にとっての自然とは?
農作物も生物である以上、上手に育てられる場合もあれば、上手に育てられない場合もあります。そして、育てる相手は野菜などの植物ですので、人間とは異なり、自然が植物に与える影響は非常に大きなものになります。植物にとっての自然とは、例えば、気温、湿度、降雨量、日照量、風など、常に植物の環境は変化し続けています。
稲作にとって台風は大敵であり切っては切れない関係
例えば、私の実家は兼業農家で米作りもしています。稲作の場合は、苗を植えた後は、水の管理と草刈りなどが主な農作業になりますが、最も重要な時期は収穫時期だと思います。その理由は、稲刈りの時期は秋頃になりますが、その時期は決まって台風が上陸したり、接近したりすることが多くなります。そして、台風は穂が垂れ始めた稲にとって最大の大敵になります。
と言うのも、台風で稲が倒れてしまうと、稲刈りの際には、倒れた稲を元に戻さなければなりません。その労力は甚大です。それだけではなく、稲が倒れた状態で放置すると、稲穂の実から芽が出てきてしまい、食用の米としては価値がなくなってしまいます。さらに、時間が経過すると、稲穂にカビが発生してしまうこともあります。
人間が出来る農作物の管理とは?
このように、農業では人がコントロールできない側面もあるため、農作物の栽培にはマニュアルがないとも言えます。このような自然現象の変化には、露地栽培では気温や湿度の管理は難しいかもしれませんが、水の管理や日照量の過不足は、ある程度、人の手を加えることで管理できることもあります。
これら、人間の力でコントロールできる部分が限定されている自然現象に対して、人間がコントロールできる部分は、堆肥による土作りや肥料の施肥、あるいは作物の収穫量を左右する雑草対策、病害虫の予防対応などになります。