貯蓄をするなら外貨の分散投資にも配分しておくべき理由

貯蓄をする場合には、日本円だけではなく外貨でも資産を保有しておくべきです。たとえ、預貯金の残高が少ない場合でも、同じように日本円という一つの通貨だけを保有するのは非常にリスクが高くなります。

今回は、日本円や日本国内の資産のリスクと為替変動の影響を考えてみます。その上で、貯蓄には必ず外貨を保有し、通貨を分散して預貯金をしておくべき理由について簡単に解説します。

貯蓄を日本円だけに集中するとどうなるのか?

貯蓄をする際には、銀行口座の残高だけに注目しがちです。そしてそれは、一般的に、銀行口座の残高は日本円の預貯金を示しています。

ところが、少し視点を変えると、一歩海外に出て見ると、日本国内の銀行残高の日本円の預貯金は、通貨という一つの商品でしかありませんね。

また、もしあなたが長期ローンを組んでマイホームを購入した場合も、基本的には、その不動産は日本円での価値でしか測られませんので、結局、日本円というもう一つの種類の異なる商品を保有しているに過ぎません。

もし、為替変動により日本円の価値が急激な円安に傾いた場合は、どうなるでしょうか? 例えば、今現在、$=100円だとした場合、日本円の価値が20%下落して、$=120円になった場合は、・・・

全ての預貯金や不動産などの資産を日本円だけで保有していた場合は、全世界的に見れば、短期的に保有資産の価値が20%低下したことを意味しますね。

日本国内で生活しているだけであれば、外貨を購入する必要もなければ、外国の不動産を購入する必要もないから、為替が円安になっても、全く問題がないと思うかもしれません。

為替変動は日常生活にも間接的に影響

ところが、日常生活にも為替変動は密接に関係していることをご存知でしょうか? 外国とは全く関係のない日本国内で生活しているだけでも、現在の日本の社会は為替とは切っても切れない状況です。

例えば、自動車を保有して、毎日、車を運転するような方は、ガソリンの値段には敏感かもしれませんね。先週よりも1Lのガソリン価格が数円高くなったり安くなったりするかもしれません。

あるいは、毎日買い物をする主婦の方であれば、最近、サラダ油や小麦粉が高くなったと嘆いている方も多いことでしょう。

それに、ニュースでよく話題になり報道されていることでは、電気料金やガス料金が値上げなど。公共料金が高くなったり安くなったりという報道もよく見聞きしますね。

これらの最も大きな要因は為替変動です。日本は島国のため、多くの資源を海外に依存しているという社会システムの中で私たちは暮らしています。

そのため、上記のような商品やサービスの原材料は、海外から輸入していますね。そのため、為替変動で日本円の価値が低下して円安になると、たちまち海外からの原材料に依存した商品は値上げせざるを得なくなります。

当然、このような生活の基礎を作っている商品の値上げは、その他のありとあらゆる商品の値上げへと波及していきます。為替変動で値上りする商品の解説では、更に詳しい説明をしています。

日常生活の自己防衛のためにも為替リスクを知ろう

日本国内で暮らしているだけであれば、為替変動は関係ないというのは間違った認識だということが理解できたでしょうか。

最近、物価が高くなったと嘆いているだけでは何も解決しません。ましてや、政府と日銀は消費者物価を意図的に上げようという政策を採っています。

このような円安&消費者物価の上昇に対抗するためには、どのような方法が有効でしょうか? 最も単純な方法は、必要な商品しか購入しないで、嗜好品を買わないでおくという「買い控え」です。

円安が直接的な要因となる物価の上昇分は、外貨を保有することで、理論的には回避することが出来ます。つまり、円安になった時のリスクを回避するために、主要通貨である米ドルやユーロを保有しておくことです。

円安 = ドル高、ユーロ高

米ドルやユーロを保有しておけば、為替変動により、米ドルやユーロの価値が高くなった時には、利益が生じます。その為替変動による利益分が、日本国内での物価上昇分と相殺されるというわけです。

外貨上昇による利益分 = 日本国内の物価上昇分

外貨保有で円高により損失のマインドは間違い

逆に、円高になった場合はどうなるのか?
急激に円高になった場合は、大手スーパーでは、「円高還元セール」が実施されていたことが合いますね。

そして、タイムラグが生じるものの、ガソリン価格も次第に安くなっていきます。また、原油価格に比例する傾向がある電気料金やガス料金も安くなります。

この場合は、生活費が安く済みますが、外貨は安くなります。一見すると、損をしたと感じるかもしれませんね。

実は、この場合でも、生活費に関係する金額だけに外貨投資を限定しておけば、決して損はしていないことは、理解できるでしょう。

つまり、生活費に直結する物価低下分と外貨の評価額の低下分がバランスしていれば、損をしたということにはなりません。

外貨保有の際は分散投資で適正な配分を!

また、外貨は上がったり下がったりするものですので、将来的にも必要最小限の資産を保有し続けることで、将来的な為替リスクを低減することができます。

重要なことは、必要以上の外貨投資はしないで、外貨保有をする場合は、適正な資産の配分をすることです。

資産を日本円だけに集中してしまうことは、全世界的な視点から見ると、非常にリスクの高いことです。

少しだけでも外貨に資産を配分しておくことで、将来の資産価値の低減を回避することに繋がります。

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