堆肥の作り方|落葉・雑草と米ぬか・牛糞を使って6ヶ月間で発酵

落葉や雑草など草木がある場所であれば無料で手に入れられる材料で、出来るだけ簡単に堆肥を作る方法をご紹介します。

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堆肥作りに必要なもの

  • 材料  :落葉、雑草、わら、もみ殻
  • 補助材料:米ぬか、牛糞、灰
  • 道具など:ビニールシート、石

堆肥作りの主材料の選択と注意点

材料となる落葉には、堆肥にしやすい落葉と堆肥にしにくい落葉があります。堆肥にしやすい落葉とは、主に腐敗・発酵しやすい広葉樹の落葉です。逆に、堆肥にしにくい落葉とは、針葉樹や繊維質が多く腐敗・発酵しにくい一部の広葉樹の葉です。

また、雑草も堆肥の材料に出来ますが、種を付けてしまった雑草は、腐らずに発酵後も芽を出す可能性がありますので避けましょう。種を付けた雑草を使った場合は、堆肥になった後に、堆肥から芽を出して雑草を撒き散らす結果になりますので十分注意しましょう。

稲藁がある場合は、適当な長さに切り刻ざみ、籾殻がある場合は、堆肥の材料として混ぜ合わせてもよいでしょう。堆肥の材料に、家庭から出た野菜などの生ごみを使う場合は腐っものを使わないようにしましょう。腐った生ごみを使うと腐敗菌が増殖してしまうことがあります。また、家庭から出た残飯なども腐敗菌を発生する原因になりますので使わない方がよいでしょう。

堆肥作りの場所と準備

堆肥を作る場所は、木材などで木枠を作り、その中で堆肥作りをする方法があります。ただし、木枠を作るためにも木材や手間が掛かりますので、地面に穴を掘る形で堆肥作りの場所を確保するほうが簡単です。ただし、雨期などの雨が多い時期や地面の含水量が多い土地ではあまり向かないかもしれません。

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まず、畑の傍らなどに深さ40cm程度の穴を掘っていきます。穴を掘る広さは落葉・雑草や稲藁の量により決めましょう。穴の中に落葉や雑草など20cm程度入れていき、その上に発酵を促進するために米ぬかや牛糞あるいは灰などを被せます。この際に、落葉などの材料が乾燥している場合は少しだけ水を蒔いておきます。米ぬかよりも牛糞の方が発酵しやすいのですが、入手しやすい米ぬかでも問題ありません。発酵を促進するために使う補助剤として、米ぬかを使うメリットは、牛糞のように臭いが強くない点です。

さらに、層を作るように、落ち葉などを20cm程度、その上に載せていき、再度、米ぬかなどの発酵補助材を被せます。最後に、上から土を被せて置き、その上にビニールシートを被せて、雨水が掛かるのを防ぎます。また、ビニールを被せることで、発酵を促すことが出来ます。ビニールを被せた後は、風などでビニールが飛ばされないように、四方八方に石を乗せて置きましょう。

堆肥作りの発酵プロセスと注意点

落葉の発酵が進み完熟するまでには、少なくても6ヶ月程度の期間が必要ですが、最初のうちは1週間に一回程度は発酵が進んでいるか確認してみましょう。発酵している場合は、温度が少なくても50度以上には上がりますので、冬の場合は、蒸気が立つはずです。発酵途上の段階では、堆肥の温度は60~70度とかなり高くなります。

順調に発酵が進んでいる場合は、発酵途中の落葉などを上下混ぜ合わせます(切り返し)。そして、ビニールシートを被せて、さらに完全に発酵するまで放置します。もし、発酵が不十分の場合は、米ぬかや牛糞などの発酵を促進する補助材料を追加するか、発酵を促進する「EM活性液」などを使用してもよいでしょう。堆肥の発酵が終わると温度が下がり、落葉などの材料も分解され形がなくなりますので、このようになれば完成です。

堆肥作りに必要な重要な3つのポイント

最後に、堆肥を作る時のポイントをまとめておきます。堆肥作りには注意する必要がある3つの重要なポイントがあります。

  • 材料と補助材
  • 水分量
  • 空気量

一つ目は、堆肥作りの主材料と発酵を促す補助材の適度な比率です。2つ目は、水分量です。水分量が多すぎると、発酵する前に腐敗が進んでしまいます。その一方、水分量が少な過ぎ乾燥した状態では発酵が進みません。含水量は50~55%程度が最適な状況です。生ごみなどは含水量が多いため、ある程度水分を切ってから堆肥の材料にしましょう。少し含水量が少ない状態で発酵を促し、様子を見て発酵が進まない場合は水を掛けるように進めた方が失敗のリスクは低くなるでしょう。

最後に、発酵中は酸素が必要になりますが、発酵を促すためには、発酵熱を閉じ込めておく必要があるため、落葉などの材料の空間を出来るだけ少なくします。そのためには、上から土を被せてたり、必要な場合はビニールシートの上にも石などで乗せて圧縮します。